初めて並んだ「MBS砲」が連敗ストップへ導いた。1点を追う9回2死一、二塁、6番サンズがDeNA山崎の4球目、低めのツーシームを振り抜いた。

打球は左中間スタンドへ一直線。試合をひっくり返す来日1号の3ランに、ベンチは喜びを抑えきれない。「正直に言ってうれしいよ。早い回にヒットを打ちたかったが駄目だった。最後に本塁打という形になって良かった」。この日、開幕後初昇格したばかりの新助っ人が、チームを窮地から救った。

助っ人3人が存在感を見せた。初回1死二、三塁、まずは4番マルテの右犠飛で先制に成功。続く2死三塁から5番ボーアが、三遊間を抜ける2点目の左前適時打。「みんながいい形でつないでくれたし、マルテも流れを作ってくれたから、その流れに乗ることができて良かったよ」。開幕から8戦目、24打席目にして待望の来日初適時打だった。勢いに乗ったボーアはサンズへの4球目に、大きな体を揺らして二塁へスライディング。初盗塁をゲットし、8回には左翼フェンス直撃の安打で初マルチ安打も記録。前日26日はベンチスタートだった助っ人が大奮闘した。

開幕から初めてスコアボードに並んだ3人が、貧打に苦しんだ打線を上昇させた。阪神の外国人3野手が同一試合に先発したのは15年マートン、ゴメス、ペレス以来2組目。マルテも5回に来日初の三塁打を放ち、3人がそろって安打、打点を記録したのは球団史上初だった。

サンズは4回1死一塁で、伊藤光のレフト線への飛球をスライディングで好捕し守備でも救った。「チームと一緒にみんなと喜びを分かち合うことが楽しかったので、良かったよ」。MBS砲の活躍で今季2勝目。歓喜の瞬間をここからたくさん味わいたい。【磯綾乃】