ロッテがホームのオリックス6連戦でプロ野球史上初の同一カード6連勝を飾り、開幕2戦目から続く連勝を8まで伸ばした。下位打線を中心とした粘りの攻めで、相手先発山本を6回途中KO。同点の8回には4番ブランドン・レアード内野手(32)が決勝の5号ソロを放った。大技、小技を織り交ぜつかんだ勝利に、井口資仁監督(45)も手応えを隠さない。

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日本屈指の好投手が、今のロッテには歯が立たない。7番井上、8番田村、9番藤岡はまさに恐怖の下位打線だ。3点を追う2回。8番田村が山本のやや内側に入ってきた151キロ直球を中堅右へ落とす2点中前適時打とし、反撃ののろしを上げた。4回には藤岡が150キロ直球を右前適時打とし、一時勝ち越し。井上は3打席で1安打2四球とチャンスメーク。山本を相手に3人で4打数3安打3打点3四球と、ほぼ完璧に攻略した。

際どいコースをしっかり見極めて四球を選び、コンパクトなスイングでセンター中心にはじき返す。得点につなげる2つの四球を選んだ井上は計14球、4回の田村は10球粘った結果。井口監督も「山本くんは本当にパ・リーグで一番素晴らしい投手なので。その山本くんからきっちりつないでくれた。1番から9番までつながっている」と満足そうに振り返り、山本対策に「スピードボールをまずしっかりコンタクトして前に飛ばす。しっかり捉えればピッチングの内容も変わってくる。そこが今日うまくできた」とうなずいた。

8回に同点とされると、最後は大技で決めた。主砲レアードが中堅フェンスをギリギリで越える決勝アーチ。「手応えはあったけど(柵を越えるように)プリーズ、プリーズと心で叫びながら走ったよ。パフォーマンスで握ったすしは中トロ。大好きだから」という1発で同一カード6連勝を達成した。8連勝は13年5月以来、7年ぶり。井口監督も「本当に良い形でスタートが切れた。選手たちも今年やっていけるんじゃないかと確信を持ちながらスタートできたと思う」と力強い。

とにかくチームのバランスがいい。打線は上位から下位までむらがない。投手陣もこの日は抑えにジャクソンを起用するなど“勝利の方程式”ハーマン、益田を休ませることに成功した。連勝中のヒーローも日替わりだ。井口監督は「控えの選手も含めて(戦力を)底上げしてくれている。誰がスタメンで出てもおかしくないメンバー」という。最高の雰囲気のまま、30日からは同じく好調の楽天との“首位攻防戦”へ臨む。【千葉修宏】

▽ロッテ藤岡(4回の右前打で二塁走者井上が生還)「しっかり振り抜けたことが良かったかなと思います。(井上)晴哉さんでも帰って来られるところに落ちてくれてよかったです」