巨人原辰徳監督が、試合中のベンチ内で沢村を呼び寄せた。1点リードの8回からマウンドに送り、2四球で1死一、二塁とピンチを招いた場面で降板させた右腕を隣に座らせ、熱を帯びた表情で語り続けた。

「四球というのはなかなか計算できないよね。計算していたら出せないよね、投手を。何とかチームが困っている時に沢村が、もうリーダーなんですから。何とかしてもらいたいなというのはありますね」

ベンチ入りのリリーフ陣で最年長、32歳の沢村の球速は最速156キロをマーク。「(DeNA)パットンもいい投球をしたけど、パットンよりも速いんだよ」と、高いポテンシャルを認めているだけに、厳しい言葉で叱咤(しった)した。

2点リードの7回は、DeNAの1番からの打順を迎えた場面で、通常なら8回を託す中川を投入。「勝負イニングだった」と開幕から5試合連続無失点の左腕に託して、1失点でつないだ。だが8回は、沢村が招いたピンチで登板した高木が、決勝の3点適時三塁打を許した。逆転負けで3連勝はならず。原監督は「最後まで粘り強く戦っている姿勢は変わらない。明日切り替えていきます」と締めた。【前田祐輔】