絶対的エースが戻ってきた! 今キャンプでの右上腕部の違和感から1軍復帰を目指してきたソフトバンク千賀滉大投手(27)が、7日の楽天戦(ペイペイドーム)で復帰戦に挑む。

今季初先発を前にした6日、ペイペイドームでの投手練習に参加。慣れ親しんだマウンドでの感触も確かめた。借金2のチームの悪い流れを止め、首位を走る楽天に襲いかかる。

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あの男がマウンドに戻ってきた。ペイペイドームでの投手練習。復帰戦を翌日に控えたこの日の千賀のラストメニューはマウンド投球だった。捕手を中腰にさせ、スムーズなフォームで投げ出された球が、捕手のミットに収まるたびに快音が響き渡った。開幕から遅れること16試合目。昨年まで、2年の連続開幕投手で4年連続2ケタ勝利のエース右腕がエンジン全開でチームに合流した。

アップ、ランニング、体幹トレーニングなどで汗を流した後に、マウンドで投球した千賀は「非常に楽しみ。気持ちは高まっています」と笑みを見せた。

今春キャンプで右ふくらはぎの違和感、右上腕部の違和感など、満足な調整ができずに出遅れたが、6月に入って2軍練習試合で先発し、ウエスタン・リーグで2度先発登板した。「体は大丈夫。パフォーマンスでは問題ないです」。ウエスタン・リーグでは最速159キロもマークした。今季初登板である1軍復帰戦で、昨年開幕戦で見せた161キロの再現にも期待がかかる。

今季、新型コロナウイルス感染拡大の影響から異例の同カード6連戦がスタートしている。首位を走る楽天との6連戦初戦となる火曜日先発をいきなり任された。

千賀 リハビリ組からいきなり選んでもらった工藤監督の気持ちを意気に感じて投げたい。最初のマウンドだし、いいスタートを切りたい。

コロナ禍での自主練習期間となった4月からの2カ月でしっかり体を作り直して、フォームを作り上げた。「昨年、ダメだった部分をしっかり見直して、いろんなものの、いいとこどりを目指してやってきた」と不安もない。

「無観客試合でどういう気持ちになるのか。ボクにとってはそこがひとつのポイントになるかもしれない」。チームは15試合を消化し借金2と決して良くはない。工藤監督も「楽しみにしてください」と期待する右腕が、地元で首位楽天を倒して逆襲への流れを作る。【浦田由紀夫】

<ソフトバンク千賀復帰への道のり>

◆2月1日 右ふくらはぎの張りのためキャンプ初日から別メニュー。

◆同11日 キャンプ初めてブルペン入り。13日には本格的な81球のブルペン投球。17日に101球、20日には110球を投げたが、右上腕部の張りなどで、その後はノースローでキャンプを終え、3月からはリハビリ組みへ。

◆4月 自主練習に入りキャッチボールを再開。視察した工藤監督は「回復、復活も近い」と話していた。28日にはキャッチボールの動画を自身のインスタグラムで披露した。

◆6月7日 2軍練習試合のオリックス戦(オセアンBS)で実戦復帰登板。最速157キロをマークした。先発1回1/3で1安打1失点(自責0)。

◆6月20日 ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマホームスタジアム筑後)で先発。4回66球を投げ3安打5奪三振2失点(自責2)。最速159キロをマークした。

◆6月26日 ウエスタン・リーグ阪神戦(タマホームスタジアム筑後)で、阪神藤浪と投げ合う。先発6回83球を投げ2安打5奪三振1失点(自責1)。最速は158キロ。