ロッテ安田尚憲内野手が、プロ初の3安打を楽天則本昂大投手から放った。

2回先頭では外角直球を中前へ。4回先頭はフルカウントから内角をさばく右翼線二塁打とした。「昨日、おととといと打ててなかったんで、何とかチームに貢献できるようにと思って打席に立ちました」と6回無死一、二塁でも右方向へ安打を放ち、田村の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。

安田のプロ1年目は則本昂で“終戦”している。新人だった18年10月、初対戦して3打席すべて空振り三振に倒れた。井口監督は当時、新人王の資格を2年目に残すため、安田の1軍出場を上限60打席と決めて経験を積ませていた。そのラスト3打席の相手が則本昂だった。「1年目のシーズンをああいうふうに使ってもらって、1軍のトップクラスの投手と対戦させてもらって、すごくいい経験になりました」。

脳裏に残った「三振を取る投手」というイメージを、自ら払拭(ふっしょく)した。4番に座って10試合がたつ。三塁守備も少しずつ安定感を増し、2回には併殺を完成させた。「まだまだ未熟なところがたくさんあるので、しっかり準備をして、チームに迷惑をかけないようにやっていきたい」。謙虚に実直に、歩みを進める。【鎌田良美】