広島鈴木誠也外野手の意地の1発も空砲に終わった。9点を追う8回1死に宮国の140キロを完璧に捉え、左翼スタンド上段に放り込んだ。

主砲は悔しさをかみ殺すように、笑顔を見せずダイヤモンドをゆっくりと1周。5年連続の2桁本塁打にも「特に意識も何もしていません。こういう試合展開になってしまったので、とにかく雑にならないように心がけてプレーしました」と険しい表情だった。

序盤に主導権を握られ、大敗を喫した。先発床田が3回4失点で降板。6回には3番手ケムナが岡本に満塁弾を食らうなど6失点。巨人戦は7年ぶりの5連敗となった。借金は今季ワーストの「7」。借金「6」から優勝した79年のデッドラインを越えた。佐々岡監督は「選手は勝つために一生懸命やっている。また明日、集中力を持ってやるだけです」と懸命に前を向いた。主砲の一振りのように、全員で意地をみせていくしかない。