17年阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。

馬場の初勝利をアシストしたのは、17年ドラフト同期で4位の阪神島田海吏外野手(24)だ。矢野監督が「僕の中の今日のMVPは島田の盗塁」とべた褒め。テレビ会見を終えても、興奮は冷めなかった。

「むちゃくちゃデカいよ! 1点負けている状況であそこで走る勇気と、実際セーフになるのは本当にプロ。近本がスタメンから出ている状況で走るのと訳が違う。ああいうプレーに対する価値はすごく大きい」

まさに勝負を分ける快走になった。2点を追う6回無死一、三塁。糸井の代走で塁上へ。「いつでも行けたら行け」。島田自身の判断に委ねるグリーンライトだった。サンズへの1-2からの4球目に仕掛けた。戸柱が送球しやすい外角速球だったが、高速ピッチで駆け、二塁に滑り込んだ。

島田 スタートがうまく切れたら行こうと準備は前もってできていた。思い切って行く勇気だけしっかり持って。アウトになったらどうしようとか何も考えず、成功するイメージだけ持って入れたので決まった。

殊勲のプロ初盗塁を決めると控えめに両腕でガッツポーズを見せた。「いま思うとちょっと恥ずかしい。でも気持ちが出た」と笑う。二、三塁に好機を広げ、大山の2点打で決勝のホームを踏んだ。馬場のプロ初勝利を演出。「同期で一緒にやってきた仲なので僕もうれしい」と喜びを分かち合った。

熊本・宇土市立鶴城中では野球部に所属しながら3年時は陸上のジュニア五輪に出場。100メートルで、のちに日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀に先着した脚力を持つ。勝負どころで光った自慢の脚力。1軍戦力としてさらなる勝利貢献を目指す。

◆島田海吏(しまだ・かいり)1996年(平8)2月6日生まれ、熊本県出身。九州学院で2年春に甲子園出場。上武大では、3年夏と4年夏に大学日本代表に選出された。17年ドラフト4位で阪神入団。176センチ、68キロ。右投げ左打ち。推定年俸800万円。