出ました、一撃必殺のゴリラパンチ! 途中出場の陽川尚将内野手(29)が、3号決勝弾でシーソーゲームにピリオドを打った。

6-6同点の8回2死。直前の守りから出場していた背番号55は塹江の初球を見送り、2球目の外角低め148キロを振り抜いた。「今までのホームランの中で、一番感触がよかった」。自画自賛の当たりはバックスクリーン右へ一直線。ベンチ前では胸を両手でたたく「ゴリラポーズ」で喜びを表現し、江越からは“ご褒美”のバナナも受け取った。

越しては越されの大熱戦。出番を待っていた陽川は、キャラそのままベンチでバナナにかぶりついていた。「今日、途中から(試合に)出る前にバナナを食べたので、それが力の源になったかなと思います」。お立ち台で明かしたバナナパワーでエネルギー補給完了。相手を一撃でKOでき、「ゴリラパンチ」とも称される強烈弾をファーストスイングでさく裂させた。

どんな時も集中力は切らさない。近年は激しい外野手争いの中でスタメンに定着できず、代打出場がメイン。先発起用された試合でも「自分は1打席1打席が勝負。毎打席、代打のつもりで」とバットを構える。今季の3本塁打は先発、代打、守備から途中出場といずれも局面は異なるが、すべて「勝ち越し弾」の肩書付き。7年目の今季、集中力の研ぎ澄ましようは半端ではない。

2軍監督時代から見ている矢野監督は「今まで見た中でも3本の指に入るような素晴らしい打球。相手もそれを警戒している中で打ったというのにも価値がある」と絶賛した。

スアレスと上がったお立ち台では、バナナが丸ごと1本プリントされた自身のグッズタオルも持参し、お茶目なセールスで甲子園を沸かせた。スタンドで揺れる斬新タオルには「自分の力になります」と感謝。最後は梅野の代名詞「勝つばい!」で締め、15日からの首位巨人3連戦の必勝を誓った。奇跡を目指すチームにとって、最後の勝負どころ。バナナパワーで、強烈なゴリラパンチをお見舞いする。【奥田隼人】

<陽川の今季3本塁打>

(1)8月26日中日戦

1点追う6回に逆転3ラン。ボーア2ランなど7得点追加を導きチームは2連勝

(2)9月10日DeNA戦

先発斎藤の代打で一時勝ち越し3ラン。再逆転許すも再逆転で3連敗でストップ

(3)9月13日広島戦

同点の8回決勝アーチ。2本目のV本塁打でチームは4連勝&今季最多の貯金4

◆スポーツ時のバナナ摂取効果 バナナは糖質(炭水化物)が豊富。消化されやすいブドウ糖や果糖、徐々に消化されるショ糖やオリゴ糖、消化されにくい食物繊維やでんぷんなど、エネルギーに変わるスピードが異なる多様な糖質を含む。このため、即効性と持続性の両方が期待できる。筋肉の損傷を防ぐ効果が期待できるアミノ酸も豊富。