ソフトバンク千賀滉大投手(27)のプロ10年目で最多、148球の熱投は実らなかった。エースは9安打6四球と苦しみながら、8回12奪三振3失点で完投。だが打線の反撃も遅く、勝利を呼び込めなかった。「先制点を与えてしまったことが一番の反省です。ランナーを出してから、粘らなければいけない場面で粘ることができなかった」と敗戦の責任を背負った。

得意の舞台で苦闘した。プロ入り後、9戦負けなし7連勝中だった札幌ドーム。だが、立ち上がりから制球が定まらなかった。6回以外は毎回走者を背負う苦しい展開。2回に西川に右越え2点打を浴び、先制を許した。

その後は粘りの投球で踏ん張り、0-2で進んだ8回は、「エース」としての力を試された。工藤監督は「8回もいけるという風に本人にも聞いた上で、『大丈夫です』ということだった。『おまえが白黒付けてこい』という思いで行かせました」とこの試合を右腕に委ねた。だが、西川に再び適時打を許し、痛恨の3点目。2死満塁で中島を見逃し三振に切って8回を投げ切ったが、最後はこの1点が重くのしかかった。札幌ドーム10度目の登板でついに初黒星を喫した。

2位ロッテも逆転で敗れたため、0・5ゲーム差のまま辛うじて単独首位を守った。チームは連敗で9月は6勝6敗1分けで5割を行き来する。悲願の3年ぶりV奪回へ、正念場の秋を迎えている。【山本大地】