ソフトバンクが、ボディーブローのような誤算続きで連勝が3で止まった。この日敗れた2位ロッテとのゲーム差を広げるチャンスも逃し、2・5差のままとなった。

楽天先発の新人滝中に、5回まで「まさか」の5安打無得点に抑えられた。工藤監督は「チェンジアップ系の球をうまく使われた。狙い球を絞るように打撃コーチもアドバイスをしたが、うまくいかなかった」とうなだれた。6回には柳田の同点打で追いついたが、その適時打以降、9回まで「まさか」の13人連続無安打。楽天寺岡、牧田、ブセニッツの救援陣の前に安打が出ず、反撃のきっかけをつかめなかった。

先発笠谷も制球に苦しみ、1失点ながらも4回途中で「まさか」の93球4安打4四球降板。1点を追う6回から起用した3番手高橋礼が、7回に「まさか」の勝ち越しを許した。先頭打者に四球を与えてからの失点に、工藤監督も「四球を出さない投手はいないが、先頭を出すと得点圏に進んでチャンスになってしまう」と肩を落とした。

この日から観客の上限5000人が緩和され、1万1937人が訪れた。「鷹の祭典」ユニホームの黄色がさらに増えたが、小さな「まさか」に見舞われて勝利を届けられず。「こういうときだから、いい試合をして勝っていかないといけないんですけど」。工藤監督にとっては、多くのファンに白星を見せられなかったことが最大の誤算だった。【浦田由紀夫】