オリックスのアデルリン・ロドリゲス内野手(28)が、入場制限が緩和された試合でアドレナリン全開で決勝の2点適時二塁打を放った。1-1と追い付かれた直後の6回1死1死二、三塁で4番吉田正が申告敬遠。西武へブーイングを浴びせる8594人に後押しされ、気持ちは燃えた。

「ボール球を追いかけすぎない。高く浮いてきたボール、打ちやすいボールを待って、良いスイングをしようと。相手投手の失投を捉えられるように」

代わったばかりの2番手宮川に追い込まれながら5球目、真ん中に入ったカーブを捉え、左翼線に運んだ。

2軍落ちを味わった助っ人の意地だった。ジョーンズが腰痛を訴えたため、17日に緊急招集された。午前はナゴヤ球場で2軍戦に出場し、夜はほっともっと神戸で何げない顔でフル出場。「自分は努力し続けること。それが自然と結果につながってくる」。昇格3日目で成果を出した。

京セラドーム大阪の入場者数はこの日から収容人数の30%に引き上げられた。今季初めて観客を入れて開催した7月10日の日本ハム戦でも逆転サヨナラ3ランのロドリゲスは「これだけ多くのファンの前でやるのは初めて。皆さんが来てくれる分だけ、エネルギーになる」と笑顔。中嶋監督代行も「まだスタンドを見る余裕はなかった。最後、勝っているときに、いっぱい入っているなあと」と訪れたファンに感謝した。【真柴健】