通算127勝右腕が「カーブ王対決」を制した。楽天岸が2カ月ぶりの白星となる2勝目。同点の6回1死三塁、中村晃を高め直球で空振り三振。「今日よかった真っすぐを信じて投げられた」。申告敬遠を挟み2死二、三塁から松田宣を宝刀カーブで遊ゴロに仕留め、直後のロメロの勝ち越し弾を呼び込んだ。パワーカーブが武器の石川との投げ合いを制し「チームが勝ててほっとしています」と笑みがはじけた。

一から自らと向き合った。変則日程、春先に負った腰痛も重なり、今季初登板は7月4日ロッテ戦。5回1失点で勝利も状態が上がらず、3試合に登板後、再び2カ月間ファーム調整に入った。「調整が難しかったことは確か。ただ、言い訳にするわけにはいかない」。春季キャンプと同様のメニューで走り込み、投げ込みを重ねた。「感覚は非常にいい。全体的によかった」と変化を実感する。

チームは首位ソフトバンクに2連勝で7ゲーム差。CS圏内の2位ロッテへ5・5ゲーム差と望みをつなぐ。「諦めない姿勢は見せていかないと。可能性があるなら諦めちゃいけない。チームの力になれていなかったので、ここから少しでもなれれば」と力を込めた。【桑原幹久】

▽楽天三木監督(岸に)「いろんな経験を乗り越えた力のある投手が、チームに力を与えてくれた。若い選手にはできない。経験してきた選手にしかできないものは間違いなくある」