中日の大野雄大投手(31)がヤクルト打線を2安打に抑え、先発全員から11三振を奪う完封劇でチームを今季2度目の4連勝に導いた。5連続完投勝利後の自身の連敗を2でストップ。エースが底力を発揮し、6勝5敗と再び勝ち星も先行させた。「前回、早い回で終わってしまったので今回はしっかり投げたいな、と。(前日のインタビューで)与田監督が『完投してくれるでしょう』と話していたのを自宅で聞いていたので何とかしたいな、と思ってました」。仕事を果たした左腕はお立ち台で安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

5年ぶりに自身最多に並ぶシーズン3度目の完封は圧巻の奪三振ショーでもあった。3回2死の山田哲から7回先頭の村上まで打者11人から6連続を含む9奪三振。リーグ最速で軽々と100三振も突破した。

「難しいんですよね、長いイニングを投げようと思えば早く打ってほしいですし」と三振へのこだわりは強くない。「石川さんが3回まで完全だったので先に点は与えたくはないな、と強く意識した」ことが快投につながった。最速149キロの直球と130キロ台のフォークを主体に2回2死から西田に安打を許した後、相手打線をパーフェクトに封じ込んだ。

前回15日広島戦での初回4失点、4回降板は完全に払拭した。チームの借金は3となり、3位DeNAまで1ゲーム差。エースが仕切り直しとなったゲームで圧倒的な力を披露、上位浮上にこれ以上ない弾みをつけた。【安藤宏樹】