ソフトバンクの「メモリアル弾」は空砲に終わった。6点を追う7回2死一塁、アルフレド・デスパイネ外野手(34)が4号2ラン。これが05年ソフトバンク球団が発足して以来、通算2000号本塁打となった。デスパイネは「節目のホームランを打てて光栄です。チームの勝利に貢献出来るホームランをもっと打っていきたいです」。4点差に迫り追い上げムードを見せたが、反撃及ばずチームは今季初の4連敗を喫した。

打線は大黒柱を欠いていた。今季82試合目にして、打率、安打数、本塁打、打点のすべてチームトップの柳田が初めて先発を外れた。6連戦が続く過密日程のシーズンでもあり、工藤監督は選手のコンディションを最優先。柳田を含む主力を交代で指名打者起用するなど、負担の軽減に努めている。柳田も以前から、首に軽い張りが出ることがあった。この日は試合前練習後に判断し「首の張りがちょっと出たので。大事を取って」と、主砲を休ませる選択をした。

19日に動員緩和され、観客数が増えてからはまだ勝てていない。鬱憤(うっぷん)のたまる展開に、ファンからは本来は認められていない大声での怒号も飛んだ。9月は9勝10敗1分けとなり、月間勝率5割を切った。名物イベント「鷹の祭典」も、24日の1試合を残し2勝5敗で負け越しが決定した。2位ロッテも敗れて1・5ゲーム差で変わらなかったが、正念場の秋に厳しい戦いが続く。【山本大地】