ソフトバンクが執念継投で引き分けに持ち込んだ。今季ワースト4連敗中だったチームは5回に中村晃の2ランで同点に追いつくと、6回以降は「勝ちパターン」のリリーフを惜しみなくつぎ込んで無失点リレーで粘りきった。工藤公康監督(57)は「リリーフ陣も頑張って抑えてくれた。形は悪くないと思う」と前を向いた。

この日は名物イベント「鷹の祭典」最終日。すでに負け越しが決まってはいたが、球場だけではなく街中が特別なユニホームでホークス一色に染まるお祭りだ。オリックス戦を終えると1週間の遠征に出ることもあり、工藤監督は「今日はなんとしても勝たなくてはいけない。鷹の祭典をしっかりいい形で終わって、ファンのみなさんにいい姿を見せたい」と気合が入っていた。

同点の6回から嘉弥真を投入。7回の松本ともに、走者を出しながら無失点でしのいだ。8回にはセットアッパーのモイネロ。9回は守護神の森。延長10回もサブマリン高橋礼がそれぞれ3人ずつで抑えた。最後の攻撃は2死一、二塁で真砂が見逃し三振に倒れサヨナラ勝ちとはいかなかったが、敗れた2位ロッテとのゲーム差は2に広がった。

25日からは勝負の6試合となる。昨季から苦手としているロッテと敵地で3連戦。週明けは仙台で3位楽天とぶつかる。指揮官は「今まで通りです。日々新たな気持ちの中で、しっかり戦っていくことが大事」と口元をきゅっと結んだ。【山本大地】