ソフトバンク東浜巨投手は、引き上げてくるナインと笑顔でグータッチを交わした。

「鬼門」と呼ばれる敵地千葉で先発し、6回108球を投げ5安打3失点。連敗を5で止める自身5勝目で、チームの危機を救った。

立ち上がりは自慢の直球が浮き、制球に苦しんだ。3点援護をもらった直後の2回。1死から中村奨、角中、井上の3連打などで2点を失った。味方がプレゼントしてくれた先制点直後の失点は、先発投手として最も反省しなければならない。さらに3回にも3点をもらいながら、マーティンに23号ソロを被弾。「調子はあまりよくありませんでした。味方が点を取ってくれた直後の失点が、2イニング続いてしまったことは反省しないといけない」。

だが、4回からは気持ちも投球もリセットした。ブレーキの効いたカーブを組み込み、6回まで内野安打1本に封じた。「チームとして勝つことにこだわっていく中で、勝っている状況で中継ぎ陣につなぐことができたという点は、よかったと思います」。調子がよくない中でベストを尽くし、白星をもたらした。

故川村隆史コンディショニング担当(享年55)の背番号01のユニホームを自軍ベンチにかけてから初白星。降板後の黙礼も忘れなかった。ローテの主軸として完全復活を切望していた「恩人」に見守られながら、背番号16がVロードをけん引していく。【佐竹英治】