セ界制覇ならず。広島森下暢仁投手(23)がリーグで唯一勝ち星のなかったDeNA戦に先発するも、7回11安打4失点で3敗目を喫した。

プロで初めて1試合2桁被安打、複数本塁打を浴び、7月31日巨人戦(東京ドーム)以来の黒星となった。

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苦しみながらも、森下は115球を投げ抜いた。1回に2点のリードをもらいながらも4回に逆転され、5回にはオースティンのソロでプロ初の1試合複数本塁打を浴びた。7回までプロ初の2桁安打を浴び、4失点。7月31日巨人戦以来の3敗目を喫し、DeNAにはリーグで唯一勝ち星なしの2敗目となった。

立ち上がりから変化球の切れを欠き、制球にもズレが生じた。1回は無失点で切り抜けるも、2回にソロを浴び、4回には3連打で同点に追いつかれ、自らの暴投で勝ち越し点を与えた。「ずっとコントロールが悪かった。コントロールだったり、やってはいけない点数を与えてしまった」。プロ2個目の暴投が初めて失点に直結し、それが決勝点となった。

セ・リーグで唯一、DeNAに勝っていなかった。7回無失点と好投したプロ初登板も白星を逃し、4度目の対戦でも勝てなかった。「そんなことは気にしていられない。しっかりゲームをつくっていきたい」。10月23日からの3連戦(横浜)に再戦の可能性を残す。

本調子でなくても、“ゲームメーク力”の高さを示した。7回まで11安打2四死球ながら、4失点にまとめた。登板13試合中、12試合で1試合100球以上投げている。安定した投球の証しともいえる。佐々岡真司監督も「苦しい投球だった。走者を出しながら7回まで何とか投げられた」と及第点を与えた。新人右腕はルーキーシーズンで、成功だけでなく失敗も糧に、新人王争いを続けていく。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(先発森下に)「制球できていなかった。苦しい投球だった。走者を出しながら7回まで何とか投げられた。(7回続投は)勝ち投手の権利を取らせてあげようと」