ソフトバンクに、心強いベテランが戻ってくる。新型コロナウイルス感染症のPCR検査で陽性判定を受けていた長谷川勇也外野手(35)が、今日29日に1軍に昇格する。チームは2位ロッテとの3連戦で負け越し、1ゲーム差に迫られた。今日からは3位の楽天3連戦。5・5ゲーム差があるとはいえ、負けられない戦いとなる。6月19日の開幕・ロッテ戦でスタメン5番を務めたベテランのヒットメーカー復帰は、大きな戦力アップとなる。

長谷川は、8月1日のPCR検査で陽性と判定された。自宅待機が続き、今月4日にリハビリ組に合流。2度の陰性判定が出るまで時間がかかったが、球団としては万全を期した結果だった。その後はここまでウエスタン・リーグ13試合に出場し、30打数8安打3打点、1本塁打、打率2割6分7厘。主に4番指名打者として打席に立ち、調子を上げていた。7月上旬に背中の張りで1軍を離れて以来の復帰。大きな苦難を乗り越えたベテランのチーム合流は、何より心強い。9月上旬に右手関節炎で離脱した明石健志内野手(34)も、1軍に復帰することが決定。勝負強い左打者2人が、攻撃力を高める。

この日、楽天生命パークでの投手練習を見守った工藤監督は「大事な3連戦だと思ってます。ロッテに負け越してきたこともあるし、勢いをつけるために初戦はまず取ることです」と語気を強めた。昇格を決めた選手の名前こそ口にしなかったが「ある程度、試合(2軍戦)に出て良くなっている。体の状態は問題ない。打線の強化はできると判断した」と、ベテラン2人へ期待を込めた。楽天の3連戦先発は、則本昂、涌井、松井と強力な布陣が予想される。3位楽天をたたくため、経験豊富なベテランを招集し、全力を注ぐ。