広島遠藤淳志投手(21)が巨人16回戦(マツダスタジアム)に先発し、5回4安打4四死球3失点で4敗目を喫した。

ボール先行の投球で四死球からピンチを招き、ストライクを取りに行った球を痛打された。2週続いた巨人菅野との対戦は前回同様、四球から失点を重ねて5回降板に終わった。この敗戦で、首位との差は13年9月12日以来となる大台20・5ゲーム差に広がった。

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21歳の遠藤にとって、球界のエースとの差をまざまざと見せつけられる登板となった。状況に応じて“力を入れる”巨人菅野に対し、遠藤はカウントによって“力が入った”。課題の立ち上がりを無失点で切り抜けながらも、ボール先行の投球から崩れた。

「前回と同じ失敗をしてしまった。全体的にボール先行になってしまったので、そこは反省しないといけない。本当に3回、4回がもったいなかった」

1回から球速も出ず、打者3人に2ボールとするなど、ボール先行の投球が目立った。3回、先頭の若林へのこの日初めての与四球から崩れた。1死二塁で吉川尚に2ストライクから死球。続く松原に2ボールとし、ストライクが欲しい場面で右前へヒットエンドランを決められ、同点に追いつかれた。さらに1死一、三塁から遊ゴロも、再び一塁走者がスタートを切っており、三塁走者に勝ち越しの生還を許した。

4回も先頭への四球から、若林に適時三塁打を浴びた。この日許した4四死球のうち3四死球が失点につながり、2本の適時打はいずれも2ボールから。今季被打率2割3分4厘も、ボール先行に限れば3割1分2厘にはね上がる。佐々岡監督は「いつも言っているように、悪いところが出た。もっと考えてやらないと」と猛省を促した。自分自身と戦っているようでは、連勝記録を続ける菅野に挑むことはできない。遠藤は「もっともっと試合を見て、感じて、勉強していかないといけない。いつか報われることを信じて挑戦して行ければ」と表情を引き締めた。

打線も遠藤を援護できず、首位巨人とは13年9月12日以来の大台となる20・5ゲーム差に。巨人が足を絡めて若い遠藤を攻略したチーム力を含め、連覇へ突き進むチームとの差は投手力だけではない。【前原淳】

▽広島会沢(コンディション不良から復帰し、9日ヤクルト戦以来の先発マスク)「フル出場で体的には問題なくプレーできた。チームが勝てなくて申し訳ない。チーム一丸で勝利を目指して1試合1試合やるだけです」

◆広島の13年 野村謙二郎監督4年目の13年は、最多14あった借金を3まで減らし、球団史上初のクライマックス・シリーズ進出を決めた。Aクラス入りも97年以来16年ぶりだった。この年は巨人が首位独走でセ・リーグ制覇。広島との差は最大で「20・5」ゲーム開いていた。