阪神西勇輝投手(29)が今季4度目の巨人戦登板。西勇は前回対戦の9月17日に完封勝利を記録。阪神投手が巨人戦で2試合続けて完封勝利は85年ゲイル以来出ておらず、西勇が球団35年ぶりの快記録を目指す。

連続完封を決めた前回の巨人戦を振り返ります。(記録など当時)

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<巨人0-11阪神>◇9月17日◇東京ドーム

阪神西勇輝投手が、プロ初の2戦連続完封勝ちでチームを救った。「ずっと連敗が続いてましたんで、ドームで勝つことの大変さもそうなんですけど、無事に完封できてよかった」。阪神では14年のメッセンジャー以来、日本人に限れば92年の湯舟以来28年ぶりの快挙。中5日でチームトップの7勝目を挙げた。

マウンドで時折首をかしげるそぶりとは裏腹に、巨人打線を次々手玉に取っていった。初回を3者凡退でスタートすると散発4安打。5回からは先頭打者をきっちり抑え、反撃ムードさえ起こさせなかった。7点差の9回1死二、三塁で打席に立つと、外低めのスライダーを強振。相手の悪送球を誘って8点目をもぎ取った。「本当に三振してもいい場面なんですけど、野球っていうのは何が起こるか分からない」。勝利が決まるその瞬間まで、全力プレーだった。

リベンジを期した場所だった。19年10月13日のCSファイナルステージ第4戦。同点の6回2死三塁、丸に三塁線へ意表を突くセーフティーバントを決められた。一塁へ送球するも、わずかにそれて決勝点を献上。西勇はグラウンドに膝をついたまま動けなくなった。「ギリギリのアウトを取れるようになりたいし、なるべきだと思う」。チームも終戦となった悔しさを胸に、成長を誓った1年前。この日は9回2死一塁で因縁の丸を一ゴロに打ち取り、会心の笑顔でゲームを締めた。

「巨人相手にチーム一丸となって、いい戦いができたと思います」。首位巨人の連勝を9で止め、8月15日広島戦(京セラドーム)から5連勝。今季登板14試合で102回と、両リーグトップで100回を突破した。矢野監督は「いやな流れの中で来て、投げ切ってくれるのは助かるし、さすがっていう姿を見せてくれてる」と称賛。熱い右腕がこれからもチームをけん引する。【磯綾乃】