ロッテ二木康太投手(25)が攻略至難な投手になりつつある。

白星には恵まれなかったが、今季初対戦の西武打線を8回3安打無失点に抑えた。持ち前の制球もさえ、無四球。フォークの使い方にも工夫をこらしたマウンドだった。8回85球で西武ニールとの投手戦を終え「こういう我慢比べの状況でしたが、何とか最後まで我慢できたかなと思います」と振り返った。

190センチの長身から投げ下ろす直球は、140キロ少々。130キロ台もある。驚く速さはないが、フォークにスライダーを交え、独特の間で投げ込む。他球団からは「直球とフォークで腕の振りが同じ。打ちづらい」との評価がある。

攻略の難しさは、数字にも出る。セイバーメトリクスの投手評価の重要指標に「WHIP」がある。投手が1イニングあたりに許した走者数を示す。二木の数値は西武戦を終え「0・92」までに下がった。

一般的に先発投手で「1」を切れば、かなり優秀とされる。2日終了時点で、パ・リーグで今季50イニング以上投げた投手は28人おり、二木はその中でWHIPが1位になる。「いま最も出塁しづらい先発投手」なのだ。

開幕直後は打ち込まれ、防御率も12・86。2軍でフォーム、主に右足親指の使い方を改善し、一気に安定感を増した。井口監督も「直球が走っているのが一番。自信を持って投げていますし、追い込んでも直球投げられるようになってきている」と成長を喜ぶ。

優勝争いをする首位ソフトバンクにも今季すでに2勝。残り9試合の直接対決を残す中で、逆転優勝へのキーマンの1人になりそうだ。【金子真仁】