ソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が9月18日楽天戦以来、自身の出場12試合ぶりの1発だ。2回無死で日本ハム有原から25号決勝ソロを放った。10月に入り、チームは3連勝。自身の打撃成績がチーム成績に直結する、まさに「チームの顔」が試合を決めた。勝った2位ロッテとのゲーム差2を死守。優勝争いの佳境で、主砲のバットが勢いを増してきた。

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首位を走るソフトバンクには、頼れるこの男がいる。柳田だ。2回無死で、日本ハム有原から左中間スタンドへ文句なしの25号先制ソロ。これが決勝弾となり「昨日、(川島)慶三さんが4番で結果出したのにもかかわらず、ぼくが4番を取っちゃったので。慶三さんの分まで仕事しようと思いました」。お立ち台で前日4番で適時打を放った川島を引き合いにし、ペイペイドームを笑いで包んだ。

今季は柳田の打撃成績が、見事にチームの勝敗にリンクしている。月間打率2割3分5厘だった6月はチームも負け越し。わずかに打率3割を切った9月もチームは負け越した。逆に柳田がともに打率3割以上で好調だった7、8月はチームも勝ちまくり、2カ月で貯金を17個増やした。

柳田は今季「全試合出場」を目標に掲げていたが、首の張りなど疲労があり、9月23日オリックス戦で初欠場した。「自分の中では試合に出られる状態でした。まあ打ってもいなかったですし、実力不足かなと。そういう実力の世界なので」。冷静に、謙虚に、気持ちを切り替え「トレーナーの方に感謝」とコンディションを上げてきた。

10月に入ってから柳田のバットは上昇気配で、2戦連続マルチ安打。柳田の勢いに比例するように、チームも10月は3連勝だ。「(体の状態に)光が見えてきたような気がするんで、一生懸命に残り試合を戦いたいと思います」。3年ぶりVへ、チームの先頭で突っ走る。【山本大地】