ナッシーが帰ってきた--。新型コロナウイルス感染から復調した元近鉄、日本ハム、楽天監督・梨田昌孝氏(67=日刊スポーツ評論家、NHK解説者)が4日、オリックス対楽天18回戦(京セラドーム大阪)のNHK・BS1の放送で解説に臨んで本格的に現場復帰を果たした。

5月20日の退院以来、日刊スポーツ紙上ではプロ野球の試合をリモート取材で評論を続けていた。グラウンドに出向いてテレビでの生解説はこの日が初めてになった。清水敬亮アナウンサーと両軍の戦力分析をするなど突っ込んだやりとりが展開された。

新型コロナウイルスに感染した梨田さんは、3月31日に緊急入院し、一時は生命の危機にかかわる重篤な症状だった。退院後に「97、98、99%は危なかったみたいだ」と振り返ったが、50日間にも及んだ闘病生活を経て奇跡的にカムバックを果たしていた。

この日のオリックス先発はドラフト1位宮城大弥投手(19=興南)のプロ初登板だった。1回1死一、二塁から4番浅村、5番和田をいずれもインコースのストレートで連続三振。梨田さんは「ドラフト1位の片りんをみました」と評価した。

清水アナウンサーから今シーズン初解説の感想を聞かれて「新鮮です。現場に戻ってこれて幸せです」と話した。定評のある先を見通したコメントに「いい解説をするなと思います」とジョークで笑わせた。スタンドに向かって手を振るしぐさをみせるなど完全復活をアピールした。