ちょうど100球で、ロッテ美馬学投手(34)が投げ切った。楽天から移籍後初の完投勝利は、自身7連勝となる9勝目。「いつもたくさん援護点をもらっていて、最後まで投げ切れてなかったので、投げ切れて良かったです」と野手陣、救援陣に恩返しを果たす快投となった。

試合開始から1分たつ前に、先制のホームを踏まれた。初回、西武金子に初球の144キロを右翼席へ運ばれた。「やべえな」と思った。すぐ切り替えた。「初球だったからじゃないですかね」。その後はワンマンショー。気がつけば9回を迎えていた。与四球もなく、味方打線が7四球を奪う流れを作った。

美馬の登板日は、打線が活発だ。この日は8得点。井口監督も「リズムがいいと打線も活気づくのかな」と喜ぶ。西武の早打ちも奏功した。「振ってくるので、振ってもらったほうがいい。ゾーンの中で打たせたい球を打たせようと」と山賊たちを術中にはめた。

ロッテから楽天へ移籍した涌井が10勝で、楽天からロッテにやって来た美馬が9勝で追う。最多勝への意識は「全然ないですね」としながら「ついていけるように、まずはチームが勝てるように」と優勝争いに貢献する。【金子真仁】

▼美馬が移籍後初の完投勝利で、8月11日日本ハム戦から7連勝。FA移籍1年目に7連勝は、12年杉内(ソフトバンク→巨人)に並ぶ最長記録。