日本通運が快勝で6年連続45回目の本大会出場を決めた。6回には4番北川利生外野手(27=創価大)の満塁弾で点差を8に広げ、勝負を決定付けた。

北川は創価大時代に、現ソフトバンクの田中正義とバッテリーを組み、強打の捕手として注目されるも、指名漏れ。社会人5年目となる今年もチームを勝利に導く逆方向への一打で、アピールを続けている。

4点リードの6回2死満塁。北川は「ストライクが来たら全部行こう」と打席に入った。甘く入った外角の直球を逆らわずに逆方向へ。打球は大きな放物線を描いて右翼フェンスを越えた。リードを8点に広げるダメ押しのグランドスラム。人生初だという満塁弾に「気持ちよかったです」と満足げな表情を見せた。

前日5日に行われた、ホンダとの第1代表決定戦でも右翼へソロ本塁打を放っており、2日連続で逆方向への本塁打となった。北川は「体を回さないように逆方向を意識していて、9月中旬ごろに感覚をつかんだ。今日もライト方向に風が吹いてたので少しだけ意識はしていた」と狙い通りの1発だったと明かした。

4回の第2打席でも逆方向の意識がうかがえた。内角のスライダーと直球をファウルにした際、1打席内で2度、バットが折れた。北川は「それくらい引き付けられてたということ」とうなずいた。一方で、持ってきた4本バットのうち2本が折れた。北川は「2本も折れると思っていなかった。残っているバットはいつものより30グラム重いバットしかなかった。それで少し感覚が狂った」。6回にはその30グラム重い、エンゼルスのマイク・トラウトモデルのバットでアーチをかけ、修正能力の高さを見せつけた。日本通運の頼もしい4番が夢舞台へアピールを続ける。【小早川宗一郎】