プロ7年目のDeNA平田真吾投手(31)が通算130試合目にして待望の初勝利をマークした。18年4月11日以来プロ2度目の先発登板を5回3安打2失点の好投。試合終盤に差し掛かる午後8時半すぎから、SNS上で「#平田真吾初勝利チャレンジ」のワードが急浮上。中継ぎを主戦に置く右腕が130度目のチャレンジで“金星”を手にした。

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ブルペンデーなのに5回を投げきった。リリーバーなのに先発で初勝利を挙げた。130回目の #平田真吾初勝利チャレンジ を成功させた。5回を3安打2失点。首位を独走する巨人打線から“金星”をもぎとった。人生初のヒーローインタビューは「長いイニングを投げられると思っていなかった。とりあえず1アウトずつとっていこうという気持ちで投げた。頼りない31歳ですが、まだまだ頑張りたい」と等身大を貫いた。

勝機の分かれ目は意志を貫いた。1点をリードされた5回の攻撃。先頭で打席が回り代打が送られてもおかしくなかったが「(首脳陣に)行きますと言った。負けている状況でリリーフ陣に渡すのも申し訳ない。少しでも自分が投げたいなと思ったので」と続投を志願した。直後の投球は2死一、二塁でウィーラーを133キロのフォークで空振り三振。味方打線の援護を呼び込んだ。

初勝利チャレンジは連日スクラムを組んでいるブルペン陣に託した。6回を伊勢、砂田で1失点。7回からは勝ちパターンのエスコバー、石田とつなぎ、最後は三嶋がウイニングボールを運んだ。「勝ちがついてほしいなと思いながら見ていた。リリーフ陣のみなさんが頑張ってくれた。最高の1日になった」と記念球をにぎりしめた。

試合終盤にリアルタイムでざわついたSNS上は初勝利を決め、祝福メッセージであふれた。壮大なチャレンジを1つクリアし「ほかの人に比べたら、だいぶ時間がかかっている。リリーフ陣に変なプレッシャーを与えるのが嫌だった」と中継ぎ陣を気遣った。プロ通算130試合で1勝3敗。「大事な場面でそんなに投げさせてもらっていない。これから大事な場面で投げさせてもらえるように頑張りたい」。#平田真吾チャレンジ は続く。【為田聡史】

◆平田真吾(ひらた・しんご)1989年(平元)8月29日生まれ、山口県出身。豊北-北九州市大-ホンダ熊本。社会人時代の13年日本選手権では、1回戦でJFE西日本を延長12回1-0で完封。同年ドラフト2位でDeNA入団。1年目の14年開幕戦(対ヤクルト)で7回から登板しデビュー。15年6月6日西武戦では1イニング4奪三振を記録した。182センチ、85キロ、右投げ右打ち。今季推定年俸1260万円。