#コロナに負けるな! ロッテが7日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、チーム内での新型コロナウイルス感染拡大後初の勝利を収めた。5番井上晴哉内野手(31)が先制の13号3ランで初回に決めた。試合前には、新たに岡大海外野手(29)が陽性だった岩下の濃厚接触者として離脱。1軍戦力が減る中、昇格組の藤原恭大外野手(20)が得点に絡むなど、中堅若手が一体となって踏みとどまり、首位ソフトバンクに1ゲーム差と迫った。

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ロッテの願いを乗せた井上の打球が雨空を切り裂いた。1回2死一、二塁、外角低めを流した打球は右翼ホームランラグーンに届いた。「苦しい状況が続いている。ここしかないって気持ちで打席に入りました。今いない選手に、いい報告ができるように」。ZOZOマリンで先制した試合は今季負けなし。一番欲しい時に、待望の13号3ランを打って見せた。

長いトンネルだった。8月21日以来の本塁打。ご無沙汰すぎて“ごっちゃし”パフォーマンスもどこかぎこちない。同僚からも「まだかな~」の声があったと言い、お立ち台で「あの…、あの…、申し訳ないです!」と謝ってしまうほど。井口監督は「だいぶ休場してましたね」と笑いながら「打つべき人が打ってくれた」とたたえた。何としても勝つ。思いはどこよりも強かった。

4日に岩下の新型コロナウイルス陽性が判明し、6日はさらに7選手が陽性に。岡を加えて5選手が濃厚接触者となり、1軍戦力はトータル13人登録を抹消された。6日朝、球場入りして当該選手たちの不在を確認すると不安に襲われた。「信じられない。みんなどうなるの? と。生き残ったという言い方は変だけど、いない人の分まで力を出し切る。それしかない」。

重たい空気。自分が打たなきゃ-。その思いが空回りして前夜は0封負け。肩の力を抜いた。試合前、中村奨と作戦会議した。アルバースには「いつも振り遅れている。早めにタイミングを取ろう」。3番マーティン、4番安田とつないで5番がガツン。抜けてくれ! 祈りは最高の結果になった。

大量入れ替えで1軍には若手が増えた。首脳陣は調子が上がらなくても使い続けてくれた。示すべき姿を考える。「僕たちずっと出続けている人は手本になるように。1人1人が役割を全うすれば強い。みんなが帰ってくるまで、下がるわけにいかないですから」。2位から落ちない。1位を詰める。コロナ禍にあろうとも、闘志の火は絶やさない。【鎌田良美】