新人王に向け、負けられない戦いが続く。巨人戸郷翔征投手(20)は今季開幕ローテーション入りすると、ここまで1度も登録を抹消されることなくローテを守っている。この日の試合前時点で84回2/3を投げ、8勝5敗、防御率2・76をマーク。新人王争いのライバルとなる森下(広島)は105回2/3を投げ8勝3敗、防御率2・21。戸郷は勝ち星で並ぶが、投球回と防御率では下回っている。7勝目を挙げた8月27日には森下を新人王のライバルとし「僕の場合は長く投げられず、ジャイアンツの野手に助けられている」。大量援護や打ち込まれる前に交代している点に言及していた。

8月には4勝0敗、防御率0・37と抜群の成績を残していた。同月の月間MVPを獲得した菅野から「負けられないという気持ちはあります。彼もあれだけ成績残しているので、僕と同じとは言わないけど、もっとハイレベルを目指していいと思います」と言われるほどの活躍を見せた。

9月は1勝2敗、防御率4・38と調子を落としたが、10月は試合前時点で2試合に登板し勝ち星こそないものの、防御率3・38と調子を取り戻しつつある。ヤクルトとは試合前時点で今季2試合に登板し1勝、防御率0・75と好相性。19日には「長いイニングを投げられるように精いっぱい頑張ります。マジックを減らせられるようにチームに貢献したいです」と意気込んでいた。高卒選手の新人王獲得となれば、球団では83年槙原寛己以来37年ぶりとなる。2年連続のリーグ優勝、そして新人王へ。ラストスパートだ。【久永壮真】