阪神が4球団の競合の末、交渉権を獲得したアマNO・1スラッガー近大・佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)が27日、同校で球団側から指名あいさつを受けた。

ドラフト会議から一夜明け、佐藤は矢野監督、担当の渡辺スカウト、永吉編成ディレクターらと約40分間の面談。指揮官は心境を問われると「僕自身が興奮して昨日よく寝られなかった。昨日のドラフトから今日までずっと興奮が続いてる感じです」と話したが、佐藤は「周りの方々からのメッセージもいっぱいきました。でも、僕は昨日ぐっすり眠れました」と対照的な返答。すかさず指揮官が「スケールがちゃうな~」とつぶやくなど、会場の笑いを誘った。

佐藤は「高い評価をしていただいたのでそういう活躍ができれば。走攻守でスケールの大きい、球界を代表する選手になりたいと思います」と表情を変えずに言い切った。指揮官も「ホームラン王というのは狙うべき未来予想図に入っていると思いますけど、僕の中では彼にも伝えたんですけど『40-40』をね。トリプルスリーのさらに上の40-40も狙って欲しいし、誰も追いつかないような所までいってもらえたらなという期待をしています」と、前人未到の40本、40盗塁達成に期待を寄せた。

<佐藤輝明(さとう・てるあき)>

◆歩み 1999年(平11)3月13日、兵庫・西宮市生まれ。甲陵中では軟式野球部に所属。仁川学院では高校20本塁打。近大では1年春からレギュラー。2年春から3季連続ベストナイン(2年春は外野手、2年秋と3年春は三塁手)。リーグ戦新記録の通算14本塁打。

◆サイズ 187センチ、94キロ。右投げ左打ち。ベンチプレス130キロ、左右の握力75キロ。

◆家族 父博信さん(53)、母晶子さん(48)、次男で関学大野球部の太紀内野手(2年=関西学院)、三男の悠くん(10)。博信さんは日体大の柔道部(86キロ級)で、現在は関学大の准教授。

◆ターニングポイント 高校2年冬にプロに行きたいと筋力トレーニングに目覚める。自室から勉強机を移動させてベンチプレスができるように変更し、親をあぜんとさせた

◆意外な一面 手先が器用で「帰宅中は折り紙を折ったり、小さいのをいろいろ作ってます」

◆モノノフ ももいろクローバーZ・高城れに推し。好きな曲は田中将大のために作られた「吼えろ」。将来はももクロにオリジナル登場曲を希望。「作ってもらえるように頑張ります」

◆対戦したい投手 近大の1学年先輩オリックス村西。(同じく4球団競合の早川は)「間違いなく今年で1番の投手。対戦したら打てるように頑張ります」

◆阪神ファンの印象 「熱狂的というか甲子園の雰囲気とかもそうですけど、そういうところがすごいイメージがあります」