広島菊池涼介内野手が起死回生の1発で今季12度目の引き分けに持ち込んだ。

チームメート森下と新人王を争う巨人戸郷の前に、広島は8回まで得点機をつくりながら0行進が続いた。0-2のまま迎えた9回も、2死一塁。「九里が本当に頑張って投げていた」と打席に入った菊池涼は戸郷の初球144キロの外角球を力強く振り抜いた。打球は本拠地のファンの声援に押されるように、右翼席へ。「何とか同点につながるホームランになってよかった。風にも助けられました」。5年連続2桁本塁打となる同点2ランが、9回2失点と好投した先発九里の黒星を消すとともに、戸郷の9勝目も消した。

森下の新人王獲得を後押しする引き分けとなり、佐々岡監督も「(新人王を争う戸郷が)完封を狙ってきたが、みんなで阻止する気持ちが、ああいう形になった」と喜んだ。