中日吉見一起投手(36)がプロ最後のマウンドに上がった。マウンドに上がる前には、帽子を取って周囲の景色を確認。投球を始める前にはプレートを4度、手で払ってから試合に入った。対戦したヤクルトの先頭山崎に136キロの直球でストライクを奪った。カウント1-2からの4球目、外角への138キロの直球で空振りの三振に打ち取り、現役最後223試合目の登板を終えた。

吉見はヤクルトベンチに深々とお辞儀をし、内野のチームメートとハグ。ヤクルト森岡コーチ、後輩の大野雄から花束を受け取り、与田監督とガッチリ握手も。プレートを6度、手で払ってから、マウンドを降りた。

試合前練習では与田監督をはじめ、選手、スタッフが吉見への感謝を込め同じ特製Tシャツを着用。練習を終えた吉見は、「当日になっても実感は全然わかないです。引退を決めてからは楽しんで野球をやろうと決めていたので、最後の練習も楽しくできました。先発にこだわってやってきたので、こういう場(先発)を与えていただきありがたいです。ずっとどう抑えるかを考えて準備してきたので、今日はマウンドから見える景色、空間を楽しみたいです」と話して試合に臨んだ。試合直前にグラウンドに姿を見せた吉見に、満員のファンから盛大な拍手が贈られた。

この日は吉見とオフに自主トレを行ってきたソフトバンク千賀、石川も駆けつけ、スタンドから観戦した。「このような場所を用意していただいて感謝しかありません。みんなに支えられて15年間のプロ野球人生をまっとうすることができました。本当にいいプロ野球人生でした」。中日の黄金期を支えたエースは、現役生活を終えた。