広島ドラフト2位の天理大・森浦大輔投手(22=天理)が17日、奈良市内のホテルで契約金6000万円、年俸1100万円で仮契約を結んだ。背番号は未定。最速148キロ左腕の起用については先発、中継ぎ両にらみで検討されており、即戦力としてフル回転が期待される。球団新人の最多登板は62年池田英俊の57試合で、森浦は59年ぶりの記録更新へ意欲を示した。(金額は推定)

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森浦は両手の汗を握りながら、契約書にサインを書いた。書類を目の前にして「手汗をかきました。(金額の桁を)数えちゃいました」とニヤリ。「プロ野球選手になったんだなという実感がすごく出てきました」と心を躍らせた。

先発、中継ぎ両にらみで、1年目から即戦力としての活躍が期待される。鞘師スカウトは「先発としての要素を持ち合わせているけれど、(1年目は)中継ぎの方がイメージはしやすい」と説明。その期待を受け止めた左腕は「すぐに1軍で活躍できるような選手になりたい。出番があれば1試合1試合全力でプレーしたい」と力を込めた。

狙うは球団の新人最多登板の記録だ。現在は1年目から16勝、防御率2・44と大奮闘した62年池田英俊の57試合。数字を聞いた森浦は「しっかりケガをしなかったら投げたいなと思います」と更新へ意欲を示した。天理大では主に先発を務めたが、プロでのポジションにこだわりはなく「与えられたら全力でアピールしたい」とフル回転を誓った。

身長175センチ、体重72キロの細身で、2月のキャンプまでに75キロを目指し、現在は下半身強化を中心にウエートトレーニングに取り組む。「下半身をしっかり安定させたい。ケガをしないようにと、直球のスピードアップにつながればなと思っています」。朝昼晩の食事に加え、おにぎりなどで間食を挟み、肉や麺類などカロリー高めの食事も取りながら、1日5食で増量に力を注ぐ。

広島の同学年には、左肘のトミー・ジョン手術から1軍復活を目指す高橋昂がいる。「同じ左投手なので、しっかり盗んでいけるところは盗んで、レベルアップしたい。負けないようにしたいです」とライバル心を燃やした。貴重な即戦力左腕が、全身全霊の働きでチームを勝利に導いていく。【古財稜明】

◆森浦大輔(もりうら・だいすけ)1998年(平10)6月15日生まれ、和歌山・新宮市出身。天理高では1年夏からベンチ入り。2年時に春夏で甲子園出場。天理大では阪神大学リーグで1年春にMVP、同年秋にMVPと最優秀投手賞。4年秋は5試合を投げ4勝1敗、防御率0・69で、ベストナインに選出。大学通算22勝11敗。持ち球は最速148キロの直球、チェンジアップ、スライダー、カーブ。175センチ、72キロ。左投げ左打ち。