阪神井上一樹ヘッドコーチ(49)が20日、オンライン取材に応じ、ドラフト1位の近大・佐藤輝明内野手(21)の外野起用構想を明かした。

「先輩たちが、彼を見た時にどういうような相乗効果を生むのかが一番楽しみです。黙っていてもなるでしょうね、起爆剤には。やっぱり彼の存在が気にならない選手はいないでしょうから。これは内野外野関係なく」。まだ見ぬ主砲に、V奪回の起爆剤を期待。4球団競合の末に獲得したその存在が、ポジション争いも激化させるからだ。

近大では主に三塁を守ったが、阪神の三塁には大山がいる。今季28本塁打を放ちホームラン王争いをした主砲を、簡単に動かすことはできない。「外野も視野に入れながら、こちら側は練習をさせていかなきゃいけないかなと思います」と起用構想を明かした。「彼がたとえば、僕は三塁にこだわります、って言うんであれば、もちろんそこで競争はさせます」。まずは本人の意見も聞く方針だが、現状のポジション構成を考えれば、外野の方が出番が増えるとの考えだ。

大学2年春までは外野を守ってベストナインにも選出され、経験値に問題はない。佐藤輝は14日に用具提供を受けるミズノ社と打ち合わせを行った際、「まずは試合に出たいという思いが強い」とポジションにこだわらず、出番を求める意思も示した。順応性の高い期待のドラフト1位が、チーム力の底上げに一役買う。【磯綾乃】

★阪神佐藤輝を巡るポジション発言 10月26日のドラフト会議直後、矢野監督は「うちにハマるならやはり、外野になってくる」と構想を披露。翌27日に矢野監督が訪問した指名あいさつでは、佐藤輝が「内野をやってみたい」と伝え、近大・田中監督も「内野で見たらとお話させていただいた。外野から内野なんてまずない。本人も内野で勝負したいと。一塁でも三塁でも二遊間でもできる」と内野起用を売り込んだ。佐藤輝はミズノ社と話し合い、三塁用だけでなく、外野用、一塁用と3種類のグラブを用意してキャンプに備える。