阪神OBの桧山進次郎氏(51=日刊スポーツ評論家)が22日、甲子園歴史館の10周年を記念したイベントで一日館長に就任し、虎の黄金ルーキーに愛情エールを送った。約250人が詰めかけるなど変わらぬ人気を誇る同氏は、ドラフト1位の近大・佐藤輝明内野手(21)に「成功3カ条」を掲げた。

(1)浜風と友達になれ

右翼から左翼方向へと吹く甲子園独特の浜風は、左打者にとって不利と言われる。同じ左打者の桧山氏は「(浜風に)勝とうと思っても無理」。スラッガータイプの佐藤輝とは簡単に比較できないとしたが、「自分は30歳くらいで転機を迎えて確実性も求めないとダメだと思った」と意識を変えた。

(2)ポジションを決めろ

同氏は内野、外野いずれかを「絶対に絞った方がいい」と断言。「俺はここでやる。そのポジションで一流になると思ってやらないと」と続けた。佐藤輝はプロ入りに向けて大学時代の三塁用だけでなく、外野用、一塁用のグラブも用意している。首脳陣とトコトン話し合い納得して守備に就くべきとした。

(3)自分でブレーキをかけろ

自身もプロ1年目に2月の高知・安芸キャンプではフリー打撃で柵越えする度に大きな歓声が上がった。「絶対張り切る。自分でブレーキかけるくらいでいいと思う」。張り切りすぎのケガは禁物と念押しした。

03、05年は主力としてリーグ優勝に貢献するなど阪神一筋22年。「代打の神様」として一時代を築いた桧山氏は「阪神でしか得られないものがある。(甲子園の声援は)どの選手もが味わえない」。優しい表情で佐藤輝が聖地で躍動する姿を心待ちにした。【桝井聡】