ソフトバンク石川がシリーズ初先発で白星を挙げた。6回途中2失点。初戦に勝った千賀に続いて育成出身投手で連勝。「早い回に野手の方が点を取ってくれた。自分らしさというか、テンポの良さを意識して投げることができたと思います」と振り返った。

持ち前の圧倒的なテンポで次々に投げ込んだ。力のある直球と独特の軌道を描くパワーカーブで的を絞らせずに7奪三振。1、2、4回は3者凡退とサクサク抑え、2000安打の坂本を完全に崩して打線を寸断した。「勝っても負けても試合が早い。体に優しい」「四球を出すのも早い」と野手陣にも好評の高速ピッチングで、大量援護も呼び込んだ。

「大舞台も小舞台もないですよ。いつも背水のつもりで投げているので」。日本一を決める戦いでも普段通りの投球ができる、石川ならではのメンタリティーがある。「言ってしまえば、自分との闘い。相手も舞台も何も関係ない。オープン戦だろうが、どこでも力を100%出すというのは変わらないです」。どんな試合でもがむしゃらに投げてきたから、初体験のマウンドでも揺らぐことがなかった。【山本大地】

▼石川がシリーズ初先発を白星で飾った。シリーズの石川は過去にリリーフで6試合登板して3勝0敗だから、これで黒星なしの4連勝。シリーズの連勝記録は渡辺久(西武)の6連勝で、4連勝以上は12人、13度目となり、無傷の4連勝以上は81年第2戦~83年第5戦西本(巨人)以来6人目。ソフトバンクでは4連勝、無傷の4連勝とも南海時代の59年に第1戦から4連投で4連勝した杉浦以来、61年ぶり2人目だ。