思わぬ落とし穴が待っていた。オリックスにドラフト6位で指名された日本生命の最速151キロ右腕・阿部翔太投手(28=成美大)が好救援で同点を呼び込んだ。しかし直後、相手打線に初球を狙い打ちされ、悔しい敗戦を喫した。

4回2死二、三塁のピンチでマウンドに上がると147キロ直球で空振り三振。ピンチを切り抜けた阿部はグラブをパーンとたたいて喜んだ。

続く5、6回と無失点で7回表の味方の同点劇へとつなげた。しかし直後の7回裏、落とし穴にはまった。1死二塁のピンチを招くと、初球真ん中付近の149キロを右中間にはじき返される適時三塁打。次打者にも初球の変化球を捉えられ、右前への適時打で痛恨の2点を献上し、降板。2回3分の2を4安打2失点だった。

「追いついてもらったので粘ろうと思っていたが粘りきれなかった。ピンチの場面では球数を使ってボール球や厳しい球で入れば良かった。本当に悔しい」

9回には味方が追い上げ、1点差で2死二、三塁と逆転のチャンスをつくったが、あと1本が出ず敗れた。阿部は「なんとか追いついてくれと祈ることしかできなかった」。敗戦の悔しさを糧に、28歳のオールドルーキーがプロの舞台へ乗り込む。