「沢村賞」の平松政次選考委員は、初受賞した中日の大野雄大投手(32)の「完投数」を高く評価した。

開幕戦から13連勝のプロ野球新記録を樹立した巨人菅野智之投手(31)を「開幕から13連勝、これは日本新記録。それぐらい素晴らしい成績を挙げた。このままなら間違いなく菅野投手の受賞は問題なかった」とたたえつつ、大野の6試合連続完投に着目。

「完投しなきゃいけないと我々も口酸っぱく言っているが、沢村賞の本来の、先発完投の姿を大野投手が見せてくれた。本来の沢村賞にふさわしい成績を挙げたということで、私も大野投手を選んだということです」と語った。

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◆選考基準(各項目での大野雄-菅野の今季成績)

(1)15勝以上(11勝-14勝)

(2)150奪三振以上(148-131)

(3)10完投以上(10-3)

(4)防御率2・50以下(1・82-1・97)

(5)投球回200以上(148回3分の2-137回3分の1)

(6)登板25以上(20-20)

(7)勝率6割以上(6割4分7厘-8割7分5厘)

※「日本版クオリティー・スタート(仮称=QS)の達成率」も考慮の対象

◆沢村賞選考委員(敬称略、就任順)平松政次、堀内恒夫、村田兆治、北別府学(療養中のため欠席。規定により書面を提出して選考に参加)、山田久志(日刊スポーツ評論家)

◆沢村賞 故沢村栄治氏の功績をたたえ、1947年(昭22)に制定。同賞受賞者または同等の成績を挙げた投手で、現役を退いた5人を中心とする選考委員会で決定。当初はセ・リーグ投手を対象にしたが、89年から両リーグが対象。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。