阪神が23日、甲子園で第3クールに入った秋季練習で「30アウトノック」を敢行した。30個連続アウトを取るまで終われず、ミスが出れば一からやり直し。プレッシャーのかかる実戦的なマル秘メニューで、3年連続12球団最多失策の守備の改善に取り組んだ。日本シリーズで巨人を圧倒しているソフトバンクを手本に走塁意識の向上も目指していく。

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筒井コーチは新たな肩書「分析担当」の役割についても説明した。「スチールのタイミングだったり、相手の守備能力を見た上で先に進む走塁。そういう準備を試合前に僕が円陣で言っていく中で、高めていくということです」。以前から同じ役割を担っており「より高めるために前に出ます」と来季は責任感も増す。

巨人と並ぶ80盗塁は2年連続でリーグトップ。同コーチが「プラス材料」と強調したのが盗塁を記録した選手数で、最多の阪神は23人と次に多い巨人に7人の差をつけた。「誰でも仕掛けられるというタイミングをいろいろ見計らってやっている。(相手の研究を)かいくぐってまた新たに挑戦できるように、僕もしっかり勉強していきます」。企画数(113)を減らさず成功率(7割8厘)を高める来季の目標も示した。

日本シリーズ4連覇を狙うソフトバンクの走塁も見習う。今季は12球団最多の99盗塁だった。「外国人にでも走塁の意識をすごく植え付けさせている。スチール以外でも、先に進む進塁もみんなでテーマを持ってやっていきたい」。矢野監督が掲げる「超積極走塁」はV奪回のカギの1つになるはずだ。【奥田隼人】