来季高卒2年目を迎える阪神西純矢投手(19)が、来春の1軍キャンプに招集される可能性があることが25日、分かった。矢野燿大監督(51)が前向きな姿勢を見せた。右腕はこの日、宮崎市内のホテルで現状維持の年俸1200万円で契約を更改。ツインズ前田の投球フォームを参考に、21年を飛躍の年にする。(金額は推定)

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未来のエース候補が来春1軍キャンプの参加メンバーに名を連ねる可能性が浮上した。矢野監督がみやざきフェニックス・リーグに参加中の西純に言及。「ピッチング自体、投げている姿を見ても良くなっている感じはある。呼んでも支障がないかなと思っている」と1軍招集を示唆した。

指揮官は育成計画を明かした。高卒1年目の今季は「まだ育成の立場」とした。投球フォームを見直す期間なども設けながらウエスタン・リーグで11試合に登板し、4勝3敗、防御率4・00。ケガなくシーズンを全うし、経験を積んだ。1軍昇格はなかったが、チーム方針としては予定通り。「来年どれだけ飛躍していくか楽しみ。1軍に来て刺激を受けて、目指す場所も変わるし、意識も変わる。成長のスピードも加速する可能性があると思う」。さらに経験を積ませ、1軍デビューにステップアップさせるのが狙いだ。

西純は初めて契約交渉に臨み、現状維持の年俸1200万円でサイン。「来年は1試合でも多く、1軍で投げられるようにしっかりとやりたい。いろいろ学べることもすごく多いと思うので、1軍のキャンプに行かせてもらえるように。しっかりやらないといけないなと思います」と意気込んだ。

フェニックスリーグでは、ツインズ前田を参考に、投球動作で上げた左足とグラブを「ポンッ」と当てて間を作る新フォームに取り組んでいる。力みが取れて安定感が増したというマエケンフォームで3試合に先発。全試合100球超を投げて試合を作り、計19イニングで23奪三振と力強さが増した。広島出身の西純が小さい時から憧れる前田は、高卒2年目の08年にプロ初勝利を含む9勝と大ブレーク。「1日でも早く、1軍で勝てるようなピッチャーになれるよう頑張りたい」。まずは1軍切符を確実にし、飛躍の2年目に大暴れする。【奥田隼人】