開幕投手を奪いに来い! 阪神西勇輝投手(30)が26日、オンライン取材に応じ、後輩投手陣の突き上げを願った。

阪神移籍後2年連続チームトップの2ケタ勝利を挙げ、来季も開幕投手が基本線だ。だが骨太のチームになるためには生え抜き台頭が不可欠とし、秋山、青柳、高橋の名を挙げて奮起を期待。開幕投手を競い合うことでチームが活性化し、優勝を目指す推進力になるとの考えを示した。

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来季の開幕投手について問われると、西勇は迷わず後輩たちの名前を並べた。

「僕が目指すというよりも、秋山だったり、青柳、(高橋)遥人あたりがね。今年1年、ローテーション回れた部分もありますので、そういう若手に出てきてほしいなと、すごく思いますよね」

移籍2年目の今季は、開幕投手を務めて11勝をマーク。2年連続でチームトップの2ケタ勝利を挙げ、投球回、防御率も先発投手陣で最高の数字だ。矢野監督も11月の秋季練習中、「そら西を上回ってくれたら変えるけど。現状は西でしょ」と明かしており、来季も開幕投手を任されることが基本線。だがあえて後輩の突き上げを望んだのは、チームのレベルアップ、そして未来を思ったからだ。

「(開幕投手は)外様より生え抜きというイメージが、僕はあります。僕が3番手、4番手に下がるくらいレベルアップして、来年の開幕に向けてにやっていってほしい」。チーム内の開幕投手争いが活気づけば底上げにつながり、16年ぶりのリーグ優勝への推進力になる。もちろん、西勇も簡単に手渡すつもりはない。「僕も抜かされないようにレベルアップしたいので、いい相乗効果を持って」。藤川や能見らベテラン勢が退団し、変わる自身の役割も自覚している。「球児さんも能見さんも、福留さんも抜けて。先発投手だったら、自分が上の年齢になってくる」。背中と結果で若手を引っ張る意気込みだ。

日本シリーズは「やっぱり、自分がやりたい場所」と見なかったという。「来年こそはチームみんなで優勝をもぎ取って、みんなであの舞台に立てるように頑張りたいなと思います」。西勇1強では強くならない。理想の関係でチーム力の底上げを図る。熱い呼びかけに、来季こそ優勝の思いを込めた。【磯綾乃】

○…西勇はこの日、読売テレビの朝の情報番組「朝生ワイド す・またん!」に生出演。大リーグ移籍を視野に入れていると報道された巨人菅野の話題が出ると、18年オフまで自主トレをともにした先輩にエールを送った。「僕からしたら師匠みたいな方なので、前からテレビで言ってたので夢をかなえてほしいと思います」。また、視聴者からの「セ・リーグにもDH制を導入するべきか」という質問には「ぼくバッターで立ちたいんで、DH制にしたらちょっといやだな」と笑顔で返していた。