来季こそG倒で優勝だ! 阪神西勇輝投手(30)が2日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、現状維持の年俸2億円プラス出来高でサインした。4年契約の3年目を迎えるエース右腕は「来年はみんなで矢野監督を胴上げできるように」と男の誓い。今季防御率1・77でカード別最高だった宿敵巨人を倒し、チーム16年ぶりの優勝を引っ張る。(金額は推定)

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西勇の誓いの言葉に迷いはなかった。「今年は2位だったので、なんとか来年はみんなで矢野監督を胴上げできるように、頑張っていきたいと思います」。タテジマに身を包んで来季3年目を迎える。一番の目標はもちろん、16年ぶりとなるチームの優勝だ。

今季は巨人相手に開幕投手を務めて11勝をマーク。2年連続でチームトップの勝ち星を挙げた。投球回の147回2/3はリーグ2位、クオリティースタート(6回以上自責3以内)は、リーグトップの17回。「この2つが上位に入ることができて、自分の中ではすごく充実していました」。こだわってきた数字には満足のシーズンだった。

通算防御率2・26と安定感抜群だったが、中でも対巨人には1・77。対戦カード別で最良の数字を誇る。オリックス時代から巨人相手の白星に恵まれなかったが、9月4日にプロ12年目で初勝利を挙げるなど5試合で3勝1敗。今季はチームが8勝16敗と負け越した中で、強力打線を抑え込んだ。「続ける難しさもありますし、対策を練られるというのもある。対策に対して、自分が超えられるようにしっかり考えながら、練っていきたいなと思います」。苦戦した西勇攻略へ、巨人はこれまで以上に対策を講じるはず。そんな相手の思惑を上回る姿で、来季も圧倒的な投球を見せる。

4年契約の3年目は現状維持の年俸2億円プラス出来高でサイン。約1時間の話し合いは、今季を振り返りつつ球団と意見を交わした。「しっかり自分の話もしたし、球団からの話もありましたので、いい話し合いになりました。自分のことよりもチームのことのほうが多い。年に1回しかないので」。藤川氏や能見、福留らのベテラン勢が抜け、来季はより中心選手として期待される。自分よりチームのことに時間を割いた。

昨オフまで米国ハワイで自主トレを行ってきたが、今オフは球団が海外自主トレを禁止しており、国内で汗を流すことになる。「自分なりのペースを保ちながら、ケガしないようにしっかりとケアして、キャンプに向けて頑張っていきたいと思います」。歓喜の胴上げを目指し、ベストな状態を作りあげる。【磯綾乃】

<阪神西勇輝の今季巨人戦VTR>

▼6月19日(2●3=東京ドーム) 阪神移籍後初の開幕投手として菅野と相対した。6回1失点と好投し、リードしてバトンを渡すが、2番手岩崎が2ランを浴び逆転負けを喫した。

▼9月4日(5○4=甲子園) 若手右腕戸郷と投げ合い。8回途中まで4失点も、サンズ、大山の援護弾などでリードを保ち、スアレスの救援でプロ12年目で巨人戦初勝利を挙げた。

▼同17日(11○0=東京ドーム) 首位独走チーム相手に敵地で散発4安打完封勝ち。同11日の広島戦に続いて、2試合連続の快投となった。近本の2本塁打など打線も大量援護した。

▼10月2日(4○1=甲子園) 大山の先制ソロなどで援護を受け、8回を5安打。失点は8回にウィーラーに喫したソロ本塁打だけの、安定した投球で巨人打線を寄せ付けなかった。

▼10月23日(4●5=東京ドーム) 2回に丸に先制弾を浴びると、マルテのセ・リーグ一塁手初の1イニング3失策など守備が乱れ、5回7安打5失点。自責2ながら5敗目を喫した。