阪神は5日、ファン感謝デーをオンラインで開催し、来季のスローガンが「挑・超・頂-挑む 超える 頂(いただき)へ-」に決定したと発表した。甲子園の室内練習場からライブ配信する異例の形となる中、矢野燿大監督(52)は「てっぺんの景色を一緒に見に行きましょう」とファンに呼びかけた。打倒巨人、16年ぶりV奪還へ-。矢野阪神が一致団結で戦う。

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ハッキリと頂点を意識した。ファン感謝デーの冒頭で矢野監督が来季スローガンを発表した。「挑・超・頂-挑む 超える 頂へ-」。躍動感のある筆致で挑、超、頂の漢字3文字が並ぶ。「『チョウ、チョウ、チョウ、いい感じ』っていうのもあるし」。矢野監督もモーニング娘。の大ヒット曲「恋愛レボリューション21」の歌詞を引き合いに出すリズム感たっぷりの仕上がりだ。

思いが凝縮している。矢野監督は「挑」について「僕たちは新しい場所へ行けると考えて、まず挑戦すること、挑むを最初に持ってきました」と説明。「超」は「自分自身を常に超えていく」という意味があると解説した。最後は肝である「頂」。「僕が監督をさせていただき3位、2位、そして来季もちろん目指すところはてっぺん、頂しかありません」と力を込めた。

決定までのいきさつも、矢野監督らしい。昨年に続き、コーチ陣や選手、スタッフらに意見を募った。複数の文字を組み合わせるなど試行錯誤。「シンプルに『挑、超、頂』が一番分かりやすいかなと。力強いかなと」。最終的には仲野トレーナーの案を採用した。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、球団の公式動画配信サービス「虎テレ」でライブ配信する異例の形で開催される中、約10万人が視聴。矢野監督はカメラの向こう側にいるファンへ「このスローガンの下に共に戦い、共に頂点に立ち、てっぺんの景色を一緒に見に行きましょう」と語り掛けた。指揮官にとっても契約最終年となる勝負の3年目。まだ見ぬ頂へ新スローガンとともに歩みだす。【桝井聡】

 

○…球団初のオンラインでのファン感を虎テレ会員やファンクラブ会員など約10万人が視聴した。企画などに携わった大西邦佳営業部次長(47)は「想定以上にご視聴いただけた」と安堵(あんど)の表情。コロナ対策も万全を期し、会場となった甲子園の室内練習場の換気や選手らの距離感にも配慮したという。来年はファンを入れる通常開催が理想としながらも、初の試みとなった配信にも手応えを示し「そういったハイブリッドなことも考えられるヒントも得た」と振り返った。

 

▽阪神梅野(新スローガンについて)「今自分たちのやらなければいけないことに合ったスローガンだと思う。頂上へ、という意識は常に持っているし、それを続けながらやれることをやっていきたい」

▽阪神木浪(新スローガンについて)「今年の自分を超えるのが一番。それを超えて結果を残す。それでチームが勝てれば、頂点に向かっていけるんじゃないかなと思います」