広島野間峻祥外野手(27)が6日、4年連続4度目の護摩行を行うことを明かした。場所は極秘で、例年会沢、堂林らが参加する鹿児島市内の最福寺ではない。年明けの1月初旬に実施する予定。定位置再奪取へ、精神を鍛え抜く。

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広島にまた1人、「炎」と向き合う男がいた。来季巻き返しを狙う野間が、自身4年連続4度目の護摩行を行うことを明かした。場所は球団OBの新井貴浩氏、今季限りで引退した石原慶、会沢、堂林らが毎年行っている鹿児島市内の最福寺ではなく、「毎年お世話になっているところがあるので」と秘密の場所だ。

今季は悔やまれるシーズンとなった。昨季の123試合から70試合と出場機会を大幅に減らし、打率2割4分、0本塁打、1打点と苦しんだ。「本当に何もしていない。何もできなかった、一番悔しいシーズンだった」。より強い信念を胸に、全身全霊で煩悩を焼き尽くす覚悟だ。「1年の始まり。自分と向き合うというか、(来季へ向けての)精神修行です」と力を込めた。

これまで護摩行を行っていることは公にはしてこなかった。11月28日に地元テレビ局で開催された「ファン感謝デー」で、堂林、鈴木誠とトークショーに出演。視聴者から「野間さんは来年は護摩行しないんですか」と質問があり、新井貴浩氏が「堂林くんから『野間が護摩行に行きたいと言ってます』と聞きました」と明かし、野間は「初耳です」と苦笑い。ファンの間でも話題となり、動向が注目されていた。

オフは基本に立ち返り、下半身を意識した新打撃フォームに取り組んでいる。「自信を持ってキャンプに入れるように準備したい」。厳しい鍛錬を乗り越え、再びレギュラーの座を奪い取るべく、心を燃やす。【古財稜明】

◆護摩行 インド伝来で密教最高の修行法。轟々(ごうごう)と燃え上がる炎の前で、全身全霊を込めて不動真言を唱え祈りをささげる。全ての煩悩を焼き尽くすという意味がある。野球界では金本知憲氏や新井貴浩氏、広島では今季引退した石原慶、会沢、堂林らが鹿児島市内の最福寺で行うことが恒例となっている。