巨人菅野智之投手(31)が11日、大リーグ球団との交渉に向けたポスティングシステム申請後、初めてファンの前に登場した。球団史上初となる両国国技館で開催されたファン感謝イベント「2020シーズン感謝祭in国技館」に参加。電光掲示板に選手名が掲載される中、トークショーなどで盛り上げ、来季の新入団選手には直々にエールを送った。

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日本の国技、大相撲の聖地で、菅野がファンへの感謝の思いとメッセージを伝えた。坂本、阿部2軍監督らとともにトークショーに登場。最多勝、最高勝率を獲得し、リーグ連覇を飾った今季を振り返る質問に「去年は(腰痛の影響で)あまり活躍できず、ふがいないシーズンでしたが、今年は心から喜べるシーズンでした」と答えた。

エースの第1球から、2020シーズンが始まった。6月19日、阪神との開幕戦(東京ドーム)。待ちに待った瞬間だったが、スタンドは無観客だった。「緊張はいつもよりかはしなかったですが、闘争心をなかなかかき立てられなかった」。初めての経験に戸惑いながら、7回2失点で今季初勝利を挙げ、史上初の開幕戦からの13連勝を飾った。

ポスティングシステムの申請が受理され、大リーグ球団との交渉解禁後、初めてファンの前に立った。ステージ裏では、小林とともに新入団選手の待機部屋をサプライズ訪問。東海大の後輩でもあるドラフト2位の山崎伊織投手(22)には、手術を受けた右肘の状態を質問した。「順調です」と聞き、「しっかり頑張ってね」と激励した。

トークショーでは来季について「どこで何をしてるか分からないですけど、どこのチームに行ってもやるべきことは変わりません」と不動心を強調した。原監督からは「選手会長は今、悩みに悩んでいるところでございます。どういう結論が出ても、たくましく、堂々と戦う2021年度になると思います」と舞台上からエールを送られ、思いを受け止めた。【久保賢吾】