第49回「三井ゴールデングラブ賞」の表彰式が18日、都内ホテルで行われ、阪神梅野隆太郎捕手(29)が捕手としては球団史上初めて3年連続で受賞した。73~74年の田淵、03、05年の2度受賞の矢野監督を超えた。4年連続となれば、ヤクルト大矢、古田に並ぶリーグ最長。梅野が名捕手への仲間入りを果たす。

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梅野がタテジマの捕手で前人未到の領域に入った。ゴールデングラブ賞の3年連続、そして3度目の受賞は球団捕手で初の快挙。田淵、矢野というビッグネームを超えた。新型コロナウイルスのため授賞式には参加できなかったが、「初めてだと聞いていた分、率直にうれしかった」と喜んだ。

今季は9月に右腹斜筋挫傷で一時離脱もあったが、正捕手としてリーグ2位に貢献。18年は5個、昨季は6個あった捕逸が今季は1個と激減。「やっぱりワンバンストップですかね。数字に見えないけど、自分なりに止めてきたり、キャッチしたり、進塁を防いだり」と、体を張って守った。

9月5日巨人戦(甲子園)では走者一、二塁の場面で投手藤浪が本塁のかなり手前でワンバウンドさせた球も下からミットを出して見事キャッチ。打席の坂本も驚きの表情を浮かべるほど。「球場がどよめいて、驚いたし、うれしかった」。捕球への自信があるからこそ、思い切って低めに変化球のサインを出せる。今季は過密日程になる中で例年以上に同じ球団、同じ打者と短い期間で対戦したため、配球面でも工夫した。

来季はセを代表する名捕手に挑戦するシーズンにもなる。セ・リーグ捕手での4年連続受賞は75~78年の大矢、90~93年の古田(いずれもヤクルト)。「まずはケガなくシーズンを戦って優勝して」と、05年以来のリーグ優勝へ導くことを前提としながらも「もちろん目指して取るのと、結果取れたというのは違う。取りにいって取りたいですね」と強い意欲を見せた。来季から憧れの先輩城島がつけた背番号「2」のユニホームに袖を通す。城島はダイエー、ソフトバンク時代に両リーグ捕手最長となる7年連続(99~05年)で受賞。梅野がさらなる高みを目指す。【石橋隆雄】