悔しさを来季への糧とする。巨人古川侑利投手(25)は移籍2年目の今季、背番号を67から40に変更した。期待を背負ったが5試合の登板にとどまり、防御率11・57とふがいないシーズンとなった。「40をもらいながら期待に応えられなかったことが非常に悔しい」と、素直な気持ちを打ち明けた。来季からの背番号は63に再変更となり、40はドラフト3位ルーキーの中京大中京・中山礼都内野手(18)に譲り渡した。

今年のオープン戦までは宮本投手チーフコーチも「中(継ぎ)も長いイニングでも何でもできる。オールラウンダーだね」と評するなど、好調を維持。開幕は1軍で迎えたが、6月25日に登録抹消されると、そこからは2軍生活を送ることになった。

球速やトラックマンのデータを見ても普段と変わらない。なのになぜか捉えられる。「なぜだ」。原因不明の不調に悩まされる中、好調時の動画を見ていると1つの原因が浮かび上がった。「(投球時に)左足に体重が乗り切ってない」。持ち味の最速153キロの直球に力が伝わりきっていなかった。

シーズンで感じた課題をもとに現在は、下半身トレーニングを中心にジャイアンツ球場で1人黙々と自分と向き合っている。実はここ5年ほど、ウエートトレーニングをほとんど行っていなかった。15年にウエートトレーニングをやりすぎたあまり、筋肉が固くなりキャンプ中に右肘、夏前には右肩を痛めた。そこから「体の使い方や可動域を出す」練習にシフト。ウエートトレーニングを敬遠していたが、8年目シーズンに向け「何かを変えないといけない」と覚悟を決め再開した。

「左足に体重を乗せる」ことを意識したシーズン終盤は、本来の調子を取り戻した。イースタン・リーグでは先発やロングリリーフもこなし、32試合に登板。0勝1敗、2セーブ、防御率2・92まで改善した。勝負をかける来季は、まずは先発をターゲットに置き、備える。エース菅野の去就が未定の中、「目指すところは先発。勝ち星2ケタを目指して、貯金を作りたい」と名乗りを上げた。もちろん中継ぎでも、任せられたところで仕事を全うする覚悟で「中継ぎなら60試合。体力には自信があるのでチームのために投げたい」と力を込めた。来季は移籍3年目。目の色を変えて1軍の居場所を奪いに行く。【久永壮真】