ソフトバンク和田毅投手(39)が27日、新たに就任した小久保裕紀ヘッドコーチ(49)と投手陣の「橋渡し役」に名乗り出た。福岡市内でトークショーに出演した左腕は、投手陣では現役時代の小久保ヘッドとプレーした数少ない存在だ。「よりチームのためになるなら、微力ながら貢献したい」。9年ぶり復帰となる新任ヘッドを知らない世代、若手投手たちをつなぐ役割を買って出る。

和田は小久保ヘッドの名前を聞くと笑顔を見せた。小久保ヘッドが巨人から復帰した07年から、和田がメジャーに移籍する前年の11年まで、5年間チームメートだった。「また同じユニホームを着てやれるのはうれしい。現役時代、キャプテンで引っ張ってくださっていた。背中を見て育った1人。ぼくにとっては背筋の伸びる存在ですね」と、10年ぶりの共闘を喜んだ。

野手陣は高谷、松田、長谷川、明石ら小久保氏の現役時代を知る世代が多いが、投手陣ほとんど残っていない。和田は「小久保さんと一緒にやっていない選手が多いと思う」とし、「(今季チーム復帰した)城島さんの時のように、間に入って話をさせてもらう機会はあると思う。若い選手をサポートしてあげたい。そういうことができればいいかなと、おこがましく思っています」と一肌脱ぐ。

トークショーでは来季目標として、残り7勝の日米通算150勝と、残り100回1/3の日米通算2000イニングを掲げた。「楽しみな部分はありつつ、緊張することも増えるかもしれないですね」。新ヘッドと迎える来季を心待ちに、不惑の飛躍を期す。【山本大地】

○…和田はトークショーと並行してチャリティー活動も実施した。イベントグッズとして、墨絵イラストレーターの茂本ヒデキチ氏が描いた和田のイラストを販売。売り上げの一部と、売り上げ枚数1枚につき和田自身が1万円ずつを上乗せし、今年7月に豪雨被害を受けた熊本・人吉市に義援金を送る。今月20日に人吉市を訪れ、野球教室などを行った和田は「衝撃的なところを間近で見てきた。まだ復興も始まっていないぐらいの段階。何かできないかと」と即行動に移した。