今年こそ! 社会人野球のENEOSは10日、神奈川・川崎のグラウンドで今年の全体練習を開始した。

山形・鶴岡市出身の阿部雄大投手(20=酒田南)は「今年の目標は日本一になること。都市対抗優勝を目指しています。個人的には、チームの勝利に貢献することだけです」と口元を引き締めた。

酒田南(山形)時代、最速142キロのエース左腕として活躍。プロ志望届は出さず、社会人に進んだ。高卒3年目を迎え、ドラフト解禁の年となる。ただ、昨年は肩の不調もあり、公式戦登板は1試合1イニングのみ。チームは5年ぶりの都市対抗出場も、自身は東京ドームのスタンドにいた。「チームが出たうれしさと、自分が勝ちにかかわらなかった悔しさがありました。実力的にも出られなかった。その悔しさも持って、今年はやりたい」。プロ入りの思いもあるが「まずはチームに貢献することが一番。それだけ考えてやってます」と“貢献”という言葉を繰り返した。

ENEOSには、お手本がいた。昨秋ドラフトで楽天3位指名を受けた藤井聖投手(24)だ。同じ左腕で、一緒に練習することも多かった。「強気の投球やマウンドさばき。チームを引っ張ることができる投手。見習いたいです」と後に続くつもりだ。大久保秀昭監督(51)も「阿部が先発できるようになれば面白い」と期待している。【古川真弥】