菅野にはかなえるべき夢がある-。巨人残留を決めた菅野智之投手(31)が10日、オンライン取材に応じ、現在の心境を語った。ポスティングシステムを申請し、複数の大リーグ球団と交渉。交渉期限直前まで熟考を重ねたが、残留を決断した。9日に帰国し、自主隔離制限内で自主トレを開始。学生時代からの夢であるメジャー挑戦は来季以降に持ち越されたが、リーグ3連覇、日本一奪還、20勝、東京五輪の金メダルを目標に、2021年をスタートする。

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今、目の前にある夢に向かって、菅野は走りだした。ポスティング申請によるメジャー移籍を目指し、複数球団と交渉を重ねたが「100%、自分で納得できるものでなかった」と巨人残留を決断。オンライン取材に応じた表情は今季への決意にみちあふれた。

菅野 気持ちは今シーズンの日本一に向いています。向こうに行けなかった悔しさはゼロではないので、今から自分の中で燃えるものがある。自分自身に期待して、やっていければと思います。

言葉の端々に込められたのは、エースとしての使命感だった。個人の目標を「20勝です」と設定。昨年は史上初の開幕戦から13連勝を達成し、最多勝(14勝)、最高勝率(8割7分5厘)を獲得したが、さらなる高い目標を挙げた。

昨年、目標に掲げた東京五輪出場への思いもあふれた。巨人残留の決断とは無関係としながら「チャンスをもらえたというふうに感じています。チャレンジできるというのは、自分にとってはプラス。去年、東京オリンピックを目標にしてる自分がいたので、また新たに目標ができたというのは大きいです」。

メジャー球団との交渉で痛感したリアルな経験を今後の野球人生に生かす。30日間で大きな決断を迫られ、期限直前まで考えた末に意思決定。「本当にいい経験になったので、また次のステップに行く上で野球人生にとって、いい経験になったと確信しています」と断言した。

複数の米メディアでは、巨人側から4年契約を提示されたと報道されたが、1年契約で勝負する意向を示した。「単年で勝負したいと思っています。まだアメリカに挑戦するチャンスは残ってると思うので、チャレンジできればチャレンジして、その後のことを考えていければ。まずは日本一を全力でつかみにいく」。夢の先に、また新たな夢が広がる。【久保賢吾】

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