#新成人の仲間たちへ-。巨人戸郷翔征投手(20)ら「ミレニアム世代」が11日、成人の日を迎えた。昨季9勝を挙げた戸郷は宮崎・都城市の成人式に参加する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で8月に延期になった。1都3県に緊急事態宣言が発出されるなど、全国各地で成人式の中止や延期が相次ぐ中、同世代にメッセージを送った。日本ハム吉田、ロッテ藤原、中日根尾らも新成人として飛躍を期している。

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「1人1人の命を大切にしてほしいですし、亡くなっている方もいる中で、動き回るとかは避けてもらいたいと思います。だけど、おめでたいことには変わりはないので、おめでとうございますと伝えたいです」。戸郷は普通ではない状況下で、ともに成人の日を迎える仲間へ真っすぐな思いを投げかけた。

新型コロナウイルスの第3波が押し寄せ、あらゆるイベントが中止や延期になった。今オフは地元宮崎で自主トレ中で、都城市の成人式にも出席できる距離にいるが式典は8月に延期になってしまった。なじみの仲間がスーツ、振り袖などで着飾って集う、一生に1度の式典。旧友たちと肩を組んで写真を撮ったり、互いの近況報告、思い出話にも花が咲く。杯を交わし大人の仲間入りを果たす。そんな日常は“見えない敵”にかき消された。

新成人だけじゃない。国民みんなが自粛を求められ、我慢を強いられている。「昨シーズンもそうでしたけど、人混みに行って感染するより、みんなが命を大切にってことですね」と受け入れた。看護師の母から「生きててくれたらそれだけでいい」と大切に育てられた。命の大切さを教えてくれた両親に感謝の言葉を伝えたい。

戸郷 プロ野球選手になれたのも両親のおかげですし、感謝しきれない部分が多い。1つ1つ親孝行できればなと思います。

高校を卒業し、故郷を離れてから2度目の師走は、人生の大きな節目を迎えた。「20歳になっていろんなことが制限がなくなり、自覚が増える。これを機に頑張りたい」と新成人の誓いを立てた。互いの命を守るための我慢、未来を明るく照らすための自粛だと信じている。みんなで前を向いて頑張ろう。【久永壮真】

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<プロ野球と成人式>

◆松井秀喜(95年=当時巨人) 自らの口で初めて「4番奪取」を公言。「長嶋監督が言う『4番への3年計画』の3年目」。この年初の4番を任されるなど有言実行。

◆松坂大輔(01年=当時西武) 自主トレ先の沖縄から一時帰京し、中学時代の友人と過ごした。「みんなと再会できればいいと思っていました」と喜んだ。

◆坂本勇人(09年=巨人) 自主トレ先のグアムで新成人の誓いを立てた。「一人前」を基本柱に「自己管理・社会貢献・後輩への気配り」の3カ条を公言した。

◆田中将大(09年=当時楽天) 兵庫・伊丹で成人式に参加。「WBCもありますし、勝負の年にしたい」。WBC優勝、当時自己最多の15勝を挙げた。

◆大谷翔平(15年=日本ハム) 地元岩手・奥州市の成人式に参加。大谷を撮影しようと多くの人垣ができた。「節目の年なので、何とか頑張って結果を」。ともに前年を超える15勝、防御率2・24を記録。